§3 ライフサイクルで見た体のトラブル ~思春期

     
月経のトラブル

思春期になって、初めての月経を初経、または初潮と言います。

最近では、初経は低年齢化して、8 歳くらいで始まる人もいますが、平均して12~13歳くらいに迎えます。中学1年生で約90%が初経を経験しています。はじめはまだ卵巣が十分に発育していないため、ホルモンの分泌も不安定で、毎月排卵があるとは限りません。基礎体温を測ると、排卵があるかどうかわかります。個人差はありますが、毎月排卵があるようになるには2~3年かかります。少しの身体のストレスで、月経が不順になるのも、この時期の特徴です。

また、子宮の発育も未熟なために月経痛がとても強く、学校を休まないといけないような人もいます。 ホルモンの関係で、月経血の量が少なかったり、多かったりすることもあります。

量は人と比べることができないのですが、2日目が一番多く、徐々に少なくなって、約1週間位でなくなるのが普通です。

初経があれば基礎体温計を計るようにして、月経が始まった日や、何日間続いたかを記録する習慣をつけましょう。

思春期の月経は不順になることが多いですが、次のような場合には産婦人科を受診した方が良いでしょう。

    基礎体温のグラフをもって
    受診すると、診断の参考に
    なり必要なときは早く治療
    することができます。
  16歳になっても、月経が始まらない。
  出血が長く続き、止まったり出たりする。
  量が多く、固まりが出ることがある。
  痛みが強く、学校に行けない。
  3ヵ月以上月経がない。

月経前症候群(PMS)
月経前や排卵の前後に、頭痛、下腹痛、むくみ、イライラ感、不眠、憂うつ、不安感、肌のトラブルなどのつらい症状を訴えられることがあり、この状態を月経前症候群といいます。

月経周期の黄体期にこのような症状があらわれ、ホルモンの変動によるものと考えられていますが、原因は不明です。

ダイエットと無月経

思春期は、子供から大人の女性へと変っていく時期で、ホルモンの状態が不安定なだけでなく、精神的にも不安定で、他人の様子や「ことば」も気になる時期です。 スリムな身体にあこがれて、太りすぎているのではないかと悩んだり、お母さんのように太りたくないとか、ボーイフレンドに「太っている」と言われたなどが原因で、無理なダイエットをして、急に体重が減り、それまで順調にあった月経が突然止まってしまったという中学生や高校生が増えてきています。

月経が止まった原因が無理なダイエットによるものであることに気がつかない場合が多いのは問題です。 ダイエットをして栄養を少ししか摂らなくなると、まずその栄養は体の中で命を保つために大切なところ、例えば脳、心臓、肝臓、腎臓などに優先して回されます。そのため、栄養の足らない余裕のない状態になって、自分の体を守るため、子供を作るのに必要な排卵や月経が止まってしまうと考えられています。

このようなケースは、なるべく早く治療をしないと、子宮や卵巣が縮んでしまって、将来妊娠しにくくなることもあります。ほんの数ヶ月間続けたダイエットが、大変な後遺症を残すことも少なくありません。

体重がもとに戻るだけで、もとどおりに毎月月経があるように治ることが多いですが、回復しない場合はホルモン療法も必要で、産婦人科医の助けを求めるのも大切です。必ず基礎体温を測って、グラフをもって診察を受けられると、診療の参考になり、早く治療を始めることができます。

ダイエットのほかに、非常に激しいトレーニングを受けているスポーツ選手や、逆に食べ過ぎて太りすぎた場合にも、月経がなくなることがあります。

いずれにしても、 3ヵ月以上月経がなくなった場合には、早めに産婦人科を受診しましょう。