§3 ライフサイクルで見た体のトラブル ~老年期

     
【骨粗しょう(鬆)症 】

近、よく話題にされます骨粗しょう症は女性に多い病気で、50才頃から増え始め、65才以上では約半数の女性が骨粗しょう症にかかっているといわれています。骨粗しょう症になると、骨からカルシウムやリンが抜けて、まるで「鬆(ス)」が入ったかのようにスカスカになり、骨の密度が低下し、もろく、骨折しやすい状態になります。

初期には症状はありませんが、進行すると腰や背中に痛みを感じるようになり、体重のかかる脊椎や腰椎の骨がつぶれ、腰が曲がったり背中が丸くなってきます。骨がもろくなるので少しの衝撃で手首や大腿骨(もものつけ根)の骨折をおこしやすくなります。

これは、骨にカルシウムを運ぶ働きに、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)が関係しているためで更年期になり卵胞ホルモンが減少すると骨に十分なカルシウムが運ばれず、骨量が減少するためにおこります。予防のために、若いときからカルシウムを十分とること(牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類)、ビタミンDをとること(干ししいたけ、卵黄、レバー、さけ、いわし、かつお、ぶり、さんま、まぐろ…)、適度な運動で筋力と骨を鍛えることが3つのポイントです。


【粘膜の萎縮と不快な症状】

年期になると女性ホルモンが減りますが、その後は急激にエストロゲンが少くなるために、ホルモンの影響を受けていた子宮や膣は小さくなります。

また、粘膜も薄く弱くなり、うるおいも少なくなるために、セックスの時に痛みを感じたり、出血しやすくなります。

膣や外陰部がかわいた感じがして、かゆみがおこることもあります。バイ菌に対する抵抗力も低くなりますので膣炎をおこしやすくなり、膣炎になると、おりものが増えたり、おりものに血が混じったりすることもあり、びっくりして、子宮癌を心配して診察にこられますが、この粘膜の変化が原因のことが多いようです。

また、膀胱や尿道の粘膜もうすくなって弱くなるため、バイ菌に対する抵抗力が少なくなって膀胱炎にかかりやすくなります。

尿の出口の筋肉がゆるんだり伸びたりすることが原因で、咳やくしゃみをしたり、重いものを持った時、笑った時など、おなかに力がかかった時に尿がもれることがあります。

ックスの時に痛みを感じる場合には、うるおいを補うゼリーを用いると良いでしょう。ゼリーは婦人科医に相談されるか、薬局でも売っています。膣や膀胱の症状には、少なくなった女性ホルモン(エストロゲン)を足してあげるとよく効くことがあります。 但し、この年代は同時に子宮がんの発生率が高くなる時期ですから1回でも不正出血があれば、必ず婦人科を受診して原因を調べてもらって下さい。

他の癌と同様に、子宮がんも早期発見、早期治療が大切ですが、年をとられた方は、婦人科の診察台にのるのがはずかしいと思われたり「もし、がんだったら」という心配から、気になりながらも診察を受けられない方もおられます。一度受けられたら安心が買えますから、定期的に検診を受けられるようお勧めします。

当院では誕生日とその半年後と年2回の検診を、お勧めしています。その時に乳癌や骨粗しょう症の検査、内科的な血液検査も受けられると良いですね。