日帰り鼠径ヘルニア手術について

鼠径ヘルニアの手術は創部の疼痛に対する対処と全身麻酔後の経過観察のため入院で治療されることが多いのですが、手術法と麻酔法を工夫することによって、手術当日の来院から手術・術後経過観察・帰宅までを1日で施行します。

日帰り手術のメリット

・費用を抑えることができる (入院費が不要)
・必要最小限の準備で可能 (入院に必要な物品の用意が不要)
・生活のリズムを保つことができる (入院による制限が少ない)
・早期社会復帰が可能(休業期間の短縮)

手術法

基本的に入院治療で行う手術法と変わりはありません。

鼠径ヘルニア手術は通常全身麻酔を主体として行いますが、日帰り手術では局所麻酔を主体として全身麻酔のウェイトを軽減することで、術後疼痛を抑え麻酔覚醒を早めることで日帰り治療を可能とします。

鼠径ヘルニア手術は下記以外にも実にさまざまな手術方法がありますが、当院では国内外のガイドラインに従い以下の手術法を施行しています。

それぞれの手術に習熟した日本外科学会かつ日本消化器外科専門医、または日本内視鏡学会技術認定医がそれぞれの患者様のご希望に沿って、最も適した治療を提供します。

鼠径部切開法

◆リヒテンシュタイン法

現在、国際ガイドラインで推奨されている手術法です。
国内では施行している施設はまだ多くありませんが、使用するメッシュの異物量の少なさにより徐々に普及しつつある術式です。
鼠径部でヘルニア門の真上から腱膜を切開して前方からヘルニア門をメッシュシートで塞ぎます。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術

◆TEP法(お臍から腹膜外でアプローチする方法)

国際ガイドラインまたは日本の鼠径部ヘルニア診療ガイドラインにおいても腹腔鏡手術に習熟した外科医が行う場合にのみ推奨される手術法とされています。

奈良県内ではまだあまり普及していない方法ですが、TAPP法 (腹腔内での手術) と比較して腹腔内を触ることなく、腹膜外でヘルニア門にアプローチしてヘルニア門を後方からメッシュシートで塞ぎます。 腹膜を切開縫合しないので腹腔内での合併症の可能性を回避することができます。

治療の流れ

  1. まずはお電話ください (0742-71-1686)
    地域連携室が初診のご予約をお取りします。
  2. 初診 (1回目の来院)
    専門外来にて担当医が診察を行い診断します。
    手術適応と判断されると術前検査(血液検査、レントゲン検査、CT検査、心電図検査など)を行なってご希望に沿った手術について相談します。
  3. 手術当日のオリエンテーションを行います
    看護師により手術当日の流れについてご説明します。
  4. 手術当日(2回目の来院)
    受付後、外科リカバリールームに入室し手術準備を行います。
    当日の担当看護師が準備から帰宅までをサポートします。
  5. 手術直後
    リカバリールームにて2~3時間の術後観察を行います。
    吐き気がなく、水分摂取、トイレ、 歩行が可能であれば帰宅を許可します。
    上記を満たさない場合は入院へ移行していただくことがあります。
  6. 術後の1週間
    自宅での経過観察となります。 数日間は創部の疼痛により鎮痛薬内服が必要になりますが、
    痛みが落ち着けばお仕事への出勤も可能です。
  7. 手術後約1週間後 (3回目の来院)
    外来にて担当医が診察を行い体調と創部のチェックを行います。
  8. 手術約1ヶ月後 (4回目の来院)
    再度、診察を行い異常がなければ通院終了となります。

鼠径ヘルニアと診断されたけど、どこで手術しようかな?
と思ったらお電話ください。 (高の原中央病院 地域連携室 TEL 0742-71-1686)
日帰りでも、入院でも、最適な治療についてサポートします